ヘルシンキからロバニエミへの乗り継ぎ便は20分遅れで出発。機体は先ほどより小さいため迫力がありそう。靴を脱いだら自分の足の匂いが漂ってくる。かなり強烈だ。
離陸風景がよくみえる座席でとても楽しい。関西空港でのホームシック的感情はゼロ。それにしてもなんと大きな空港。草原には岩肌も見える。広野だ。こんなに風景が楽しめる席とは、本当に素晴らしい体験である。
いよいよ離陸だ。うおおおおお!!!スペースシャトルに乗り込む宇宙飛行士の方々のGの凄さは計り知れない。街並みが素晴らしい。赤い屋根。旋回時に傾く機体。すごいなあ、ヘルシンキの街並みが海岸線も含めて一望できる。
しばらくすると、それぞれの高度の雲の高さを越えて機体が上昇する。まずは雲に近づき、次第に雲の中にはいり、あっという間に雲を見下ろすようになる…という一連の流れがとても楽しい。いつしか眼下には無数の雲が広がる。空と雲と大地と湖と街並みと…見ていて飽きない。隣で妻は眠りの世界へ…(と思ったら、機内サービスのブルーベリージュースで復活!美味しいなあ)。まだ夕方の17時半である。なんて長い1日だこと!
次第にロバニエミが近づいてくると、左手眼下には海(ボスニア湾?)が見えた。そこに至る川の流れがいくつか見えた。もしかしたら、今晩クルーズ予定のケミ川だろうか。面白いなあ。
着陸に向けた降下の動画を撮影した。面白いなあ〜!やはり山がない。無事着陸、いよいよ空港を離れての移動である。
空港のタクシー乗り場に着くとタクシーは一台もなく、サボテンが生えていてもおかしくない岩剥き出しの風景に一抹の不安を感じるも、しばらくするとBMWのタクシーが停車。降りてきたのは、Dr.スランプアラレちゃんのヤンキーの兄ちゃんの金髪版のような風貌のナイスガイ。「タクシー予約電話かけた?」というような旨の質問をされたので、「ノー」と答えると、「そのほうがいい」という旨で喜んでいたので、「ホテルサンタクロース」と言うと、無事に連れていってくださった。なるほど、別のタクシーの予約客だと都合が悪い。お互いに嬉しい巡り合わせであった。
車中では、英会話レベル0からの実践突撃訓練。車がナイスだの、運転が快適だの、日本のタクシーはトヨタ車が多いだの、話してみた。運転手さんにとって面白い会話ではないかもしれないが、意味は伝わって一応嬉しそうに相手をしてくれた。会話は、相手に伝えたいという気持ちや、相手の言うことを理解したいという、相互の歩み寄りこそが肝要であることを肌で感じた。日常会話ならなんとかなるのかもしれない。
ホテルにはほどなくして到着。初めてのユーロ紙幣支払いも無事だった。レベルがあがった!
ロバニエミの街はそんなに都会ではなく、日本のつくば市の海外版のような印象を受けた。なるほどなあー、サンタクロースが住んでいそうだ。
ホテルのチェックインは次の難関だったが、無事に用紙に記入できてチェックインできた。流暢に話されるとドキドキして大変よろしい。朝食の時間とサウナの時間は丁寧に書いてくださった。ありがたいー。
エレベーターの動かし方がイマイチわからないというプチトラブルにあいながら(部屋のカードキーを差し込んだり抜いたりの操作が必要)も、なんとか部屋に到着。電源やWi-Fiが問題なく利用できることを確かめ、次の予定に向けてとりあえずシャワーを浴びた。
現在時刻は、日本時間の午前2時前、つまりフィンランドでは20時前。日本の感覚では、もうすっかり暗くなっていても全然おかしくないが、フィンランドでは、なるほど白夜、驚くほど日が長く、外が明るい。これなら中高の部活の練習もいつまでもできる。20時前なのに、16時くらいだと錯覚する。
月曜の仕事のデッドヒートからの活動量を考えるともう活動限界を迎えてもおかしくないが、引き続き、ケミ川クルーズに向けて準備を整える。徹底的に楽しませていただこう。わくわく。
ホテルのロビーで開催担当の方と待ち合わせとのこと。ロビーをうろついたり、少し外に出てみたりして時間を過ごす。
外は20時半だというのに完全に昼間だ。異国の地だな〜、変化があっていいな〜、あの店は何かな、こっちはどうかな、と興味は尽きない(このホテルの近くにあるマクドナルドは世界最北のマクドナルドだとかなんとか)。この風景、なんだか、昼間しかない世界(例…ドラクエ2)に来たようだ。外のお店に興味が尽きないが、待ち合わせをすっぽかすのはつまらないので、ロビーにておとなしく待機。少し眠いが、待機時間が長いときほど、この日記の記録は捗る。茉莉緒さんは最初はロビーの新聞を開いて何やら眺めていたが、そのうちに、僕の日記を読み返してニヤニヤしている。狙い通りだ。
そういえば、今朝の飛行機で右隣だった方(ジェイティービーのお姉さま。跨いでしまったことにもお気づきでした)との会話のなかで、ケミ川クルーズはつなぎや長靴を装備して割とバランス感覚が要求される、というような旨のお話をされていた。期待が募る。
さて、待つこと30分。退屈はしないが、おなかは減る。ホテル内のレストランで黒ビールを楽しむ御仁に後光が差している。ああ〜おなかすいた…!まだかな〜、まだかな〜。ついにきた!
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ケミ川クルーズは他の参加者がなかったため我々2名での開催。ホームアイランドとよばれる島へボートで渡っての美味しい夕食やコーヒー、その後、この地で最も標高の高い丘でのシャンパン、そして語らい。沈まぬ夕陽のもと、焚き火を囲みながらのんびり語らう時間は言葉にならない貴重なひとときでした。本当にありがとうございました。
現地時間午前零時半(日本時間午前6時半)、外はまだ日が沈んでおらず夕方みたいだが、満を持して就寝。
写真はホームアイランドにて。夜10時の光景とは思えない特殊空間でのひととき。