7日目(最終回)

新婚旅行も最終日である。朝7時半起床。晴れてくれて嬉しい。脚に昨日のランニングによる筋肉痛あり。朝食(妻に呆れられるくらい、美味しく、たくさんいただく)や荷造り(往路よりもかなり増えている)を経て10時にチェックアウト。ヒルトンストランドホテルの皆様、美味しい食事や素敵なご対応、本当にありがとうございました。
 
今日は14時半にはホテル発で空港行きのタクシーに乗らなければならない。限られた時間だが、マリメッコ本社に向けてハカニエミ駅・初メトロに挑戦。地下鉄駅構内の雰囲気は日本と割と近い雰囲気。自動券売機でのキップ購入にやや戸惑いつつも、ガイドブックどおりに2.5ユーロチケット二人分を購入。これで一時間を過ぎるまでは乗り放題らしい。乗った車両のイスはプラスチック製でひんやりした固い椅子。妻曰くは、急ブレーキでお尻が滑るらしいよ、とのこと(そりゃぜひ滑ってみたいなあ)。メトロ車内には中吊りの広告がほとんどない。不景気なのか、そういうものなのか。また、各駅での停車発車の感覚が短い。駆け込み乗車は難しいだろう。
 
ヘルトニエミ駅で下車。しばらく歩けばマリメッコ本社らしい。高速道路の上の橋などを渡るなどして歩くこと数分、無事に到着。
 
マリメッコ本社のショップはすごい品揃えだ。アウトレットのスペースと今季もののスペースが分かれている。昨日決め切れなかったお土産も含めて、ここでも長丁場。2時間以上の興奮・苦悶のうずしおに巻かれながら、これは誰々さんに、あれは誰々さんに、と品物を購入。自分用はほとんどなかったけど、ふとそれも寂しいなと思い、終盤に自分用のバスタオルやテーブルクロスを購入。好きなものに囲まれて日々の生活を送ることができれば、こんなに嬉しいことはない。
 
13時過ぎ、そろそろ行かないと、と慌てて離脱…のつもりが、レジに並び始めてからお会計完了までに30分くらい要する(前のお客さん2組と自分たちの会計)。店員さんは丁寧に服を畳んでくれたり、とても丁寧だ(時間はかかるけれど嫌な感じは全然しない)。13時半、マリメッコ本社を発つ。13時40分地下鉄乗車。この後、14時半にはホテルに戻って空港へ向かうタクシーに乗らなけれはならない。
 
割とスムーズにハカニエミ駅(ホテル最寄り駅)に戻れたため、昨日、日曜休みで閉まっていたハカニエミ・マーケットホールへ。赤煉瓦造りの建物には、入り口の木扉を含めて歴史を感じる。館内はまさにマーケットで、一階の食品売り場や、二階の雑貨類売り場は、いずれも木枠の店構えが立ち並び、活気ある市場の様相を呈している。二階のマリメッココーナーや、ラップランドの木のカップ(欲しいけど40ユーロ。う〜ん、40ユーロは高いよ!)を眺めて歩く。一階に降りてから、まだ時間の猶予かあったため、本にも載っていたスオッパケイティオというスープ屋さんで足を止める。このお店は大当たりで、クリーミーサーモンスープとシーフードスープをいただいて狂喜乱舞。シーフードスープは酸っぱ甘しょっぱく、また、スープ表面にはサワークリームのかたまりが乗っており、それを溶かしながら豊富な具材とともに口に運ぶスープの美味さは、臓腑に染み入り、脳内宇宙にビッグバンを起こす破壊的美味さ(やや大げさだけれど温かいスープに飢えていたこともあり、最高だった。諸条件が揃ったときに感じる美味しさかもしれない)。クリーミースープのほうも、じゃがいもごろごろ、サーモンやスープの味も絶妙な塩加減で、とても美味しかった。こうして、フィンランド最後の食事は、素敵なしめくくりとなった。14時25分、ちょうど良い時間にホテルへ戻り、トイレも完了(なんと本日5度目のビッグワン。ごべんなさい)。14時半タクシーでホテル出発。
 
タクシーの運転手さんが温かい雰囲気のおじさんで、フィンランドはどうだったかと聞いてくださったので、感謝を述べた。フィンランドの、街・食べ物・飲み物・雑貨・ホテル・港・湖・公園・自然・そして人とサウナが本当に素晴らしかった、と。冬にまた戻ってきなよ、と言ってくれるので、オーロラを見に来たいのと、あと、サウナに入って冬の氷の張った湖にドボーンしたい、と笑いあった(それをするなら、一番寒い2月がオススメらしい)。15時前、空港到着。この旅はぼくらのハネムーン、最高の思い出をありがとう、と感謝を述べて別れた。
 
空港へ着いたら、チェックインの前に免税手続きへ。場所がわからなかったけれど聞いてみて、TAX REFUNDの表示を見つける。感じの良い対応をしていただく。免税分はクレジットカードに戻してくれるらしい。勉強になるなあ(京都の商店街活性化には、免税OK、というのが大事な要因の一つだと理解した)。
 
免税手続きも終われば、いよいよ荷物整理!まず、とても臭い履きなれた靴(トレイルラン用の靴。普段の運動靴として連日大活躍した)を脱いで草履になる。あまりの足の臭さに、妻が、死ぬ〜(≧∇≦)、と悶える(かわいそうだがこれは宿命である。搭乗までのしばらくの間を素足で過ごせば、飛行機に乗る頃にはマシになるだろう…)。預ける荷物と機内持ち込み荷物とを無事に分け終えて、チェックインへ。リュックは行きの2倍くらいの高さになった。容量可変の登山用リュックにして本当に良かった。
 
次はチェックインだ。案内の方にJALの窓口へ案内してもらったので行ってみる(むちゃくちゃ空いてる)と、ここは成田空港専用よバイバイ、と美しいお姉さんに言われて嬉しくなる。元の場所付近に戻ってFINNAIRの美しいお姉さんに聞いてみたら、マシーンで自分でやってね、と案内される。はは〜ん、セルフサービスでできてしまうのね。タッチパネルで日本語表示に切り替えて、姓を入力後、eチケット番号を入力して、座席まで事前にわかって、簡単にチェックインできた。出力された荷物タグと搭乗チケットを機械からちぎり取る。セルフ荷物カウンターへ進み、リュックが大きすぎる、と四度警告を出す(重量は15キロ弱)も、案内のイケメンお兄さんが機転を利かせてくれたのか、大きさはOKだからこっちで特別対応さしあげますね、と大型荷物用コースに預けさせてもらって、荷物預けも無事におしまい(別料金はかからないみたい)。搭乗口のブザーも無事に通過。16時。
 
空港のショップで、お土産用のチョコレートおよびサルミアッキを購入。16時半、これで買い物は全て終了!出国審査を終えて、いよいよゲートへ向かう。フィンランド到着初日より妻の念願だったPingviiniのアイスクリーム(マスコットの愛くるしいペンギンが目を輝かせている姿がとても可愛い。ロバニエミにもヘルシンキにも至る所にある)を購入。これで思い残すことはない!
 
搭乗を前に、新婚旅行を振り返る感慨深い気持ちになる。わずか一週間、されど一週間、どこにいるにしても、何もしなければ何も起こらないし無為に過ごしてしまうが、一日やひとときを大切に濃密に過ごしたいと願いそのように行動すれば、疲れはあれど、良い人生にできるのだろう、と思う。興奮状態が故の気持ちではあるかもしれないが、この気持ちをいつまでも忘れないようにしたい。
 
17時過ぎに飛行機へ搭乗完了。窓側に座らせていただく。嬉しい〜(2人掛けの席なので妻をまたぎこせばトイレも行き放題!)。17時20分離陸予定。さようならフィンランド。いつか冬に来て、オーロラを見たり、サウナに入ってから氷の張った湖に飛び込みに来たり、キオスクにあるスロットに大当たりしに来たりしたい。 またいつか…。
 
飛行機が無事に離陸。一週間前に祈るような気持ちで離陸した気持ちが懐かしくなるほど落ち着いている。ただ、眼下に小さく輝くフィンランドの国土には、感動を禁じ得ない。森や湖、湾がとても美しい。飛行機が高度を上げる。光る雲を突き抜け、フライアウェイ。からだじゅうに、広がるパノラマ。(火山が爆発しないことを祈る)。到着まで9時間弱のフライトの始まりだ。
 
19時前、機内食のカレー&ビールの配給に目を輝かせる。機内食、飽きたらつまらないのかもしれないけれど、まだ人生2度目、幸せのひとことに尽きる!空を飛んでいるだけでも楽しいのに、空の上で靴を脱いで、温かいご飯やお酒を飲めるなんて、こんなに嬉しいことがらあるだろうか(いや、ない)。美味しくいただいてから、妻とこの旅の写真を振り返り、妻の就寝後は、日記を書くことに集中する。
 
24時、この三日間の日記を見直しむ含めて書き終える。24時というのはヘルシンキ時間で、日本時間では午前6時だ。日本への到着予定時刻は8時半頃、あと2時間強だ。眠たかったが、機内で日記を書き終えることができてよかった。日本時間7時頃、機内朝食。妻の残した分も含めておいしく平らげる。あと50分で到着。ここにきて眠たくなる。8時20分、着陸に向けて高度が下がる。眼下に日本の山々が見える。8時35分、無事に関西空港着陸。9時半発のバスで京都駅八条口へ。ようやくネット環境がもどってきたため、過去2日分の日記をフェイスブックにアップ。11時、空港からのバスが京都駅到着。家にたどり着くまでが新婚旅行です。京都市バス乗車。12時前、自宅へ帰還。お疲れさまでした。これにて新婚旅行、おしまいです。
 
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今回の新婚旅行の実現にあたって、京都市下京区中堂寺粟田町93番地京都リサーチパーク四号館3階の有限会社エイチアイトラベルの代表取締役:服部泰之様に、大変お世話になりました。旅行先のご相談からホテル・航空機・列車・オプションツアーのご予約をはじめ、多大なるご支援・ご協力を賜りました。新婚旅行をお願いさせていただきます、とお伝えしてから1年間以上もお待たせしてしまった上に、旅行の一ヶ月半前に打ち合わせさせていただくというギリギリのスケジュールでのお願いにも関わらず、一生の思い出になるような素敵な旅行をセッティングしていただき、本当にありがとうございました。(以前、七本松落語会での林家菊丸さんの襲名披露ツアーinなんばグランド花月に参加させていただいた際にも大変お世話になりました。国内・海外を問わず、とても行き届いた細やかなご配慮で旅行をセッティングしてくださいます。ご旅行の際にはぜひエイチアイトラベル様へ!)
 
また、取引先の皆様や社内の皆様に業務面でご無理やご迷惑をおかけしてしまった面もあるかと思いますが、おかげさまで大変思い出に残るひとときを過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。この機会を励みに、また頑張りたいです。
 
フェイスブックをご覧いただいた皆様、この一週間、長文の日記を連日投稿させていただき、いいねやコメントをいただき誠にありがとうございました。毎日、長文の新婚旅行記録が皆様のタイムラインに表示されてしまうのはご迷惑をおかけしてしまう面もあったかと思います。ありがとうございました。
 
そして最後に、この旅に文字通りパートナーとしてともに旅をした妻に心から感謝します。本当にありがとうございました。またいつか行きませう。
 
これで連日の新婚旅行日記を終わらせていただきます。ご覧いただき誠にありがとうございました。これからも夫婦共々励んでまいります。今後ともよろしくお願いいたします。